「オッドタクシー」を観た。ノワールは好きだし、とてもおもしろくて一気に観てしまったのだけど、少し気になることがあった。

女性ジェンダーキャラクターと男性ジェンダーキャラクターの表象の幅にかなり大きな差があるのだ。男性キャラはセイウチやゴリラ、サル、ヤマアラシなど様々なフォルムや顔つきで描かれているのに対し、女性キャラの顔つきは一定の「穏当に可愛い」範囲に収まっている(特に目のデザインを比べてみるとわかりやすい)。ネコ、アルパカ、カンガルーという選択も「穏当にかわいい」に収まるものだろう。

(そもそも女性キャラが少ないからでは?)じゃあなんで少ないのだろう?ノワールだから?例えば剛力は、大門兄弟はなぜ男性として描かれているのか?

(アイドルやヒロインがかわいいのは当たり前でしょ)上に書いたことと重なるけど、なぜ女性キャラはアイドルという容姿も重要な職業や、ヒロインという物語の要請上容姿がかわいくあることを求められがちなポジションにしかいないのか?

(動物表象は小戸川の主観だし)最終話を見る限り実際の容姿と動物での容姿はある程度リンクしている。主観だから物語上設定されている実際の美醜と関係ないとは言えないと思う。

それが動物の姿形をしていてさえ、「女」(私が女と書くとき、それはほぼ全てにおいて「」つきです)に許容される外見の幅は狭いんだな、とどこかで諦めながら映画『オッドタクシー』を観ることになりそう。