友だちと久しぶりに話した。会話の体感3〜4割にその友だちの恋人が登場し、不思議な感覚になった。私とその人は何の面識もなく私はその人に何の興味も抱いていないのに、おそらく「友だちと交際している」という一点のみにおいて私と友だちの会話に侵食してくるのだ。友だちにとって多少なりとも大切な部分を形成している人だろうから「その人の話をしないで」と面と向かって言いにくいし、どうしても聞きたくないというほど嫌悪感を催すほどではない。でも私と友だちの関係性にまったくの他人(私が捉えている友だちとの関係性においては他人)がポッと差し込まれる感覚。不思議だ。あなたは誰なんだ?

私にも交際している人間はいるけど、友人や知人と、交際者との関係性を共有したいという欲はないので基本的に話すこともない。だからなおさら相手の恋人(私と面識はない)の話をされると面食らってしまうのだろう。あと、交際している人間について話すと、大抵の場合相手は「男女交際」の枠に当てはめた上でリアクションを取ってくることが多く、そうすると、私と交際者との間の言葉や機微がまるごと捨象される。それに耐えられない。そういう反応を返された途端、あなたに私のなにがわかる?という感情が頭をもたげる。私に恋バナをふらないほうがいいと思う。

ふられたらふられたで適当に濁しているのだけど、以前は過剰に防衛的な反応をとるあまり、私に恋バナをふってきた/その場にいる他の人の交際や恋愛事情をぶしつけに聞いてしまっていた。まじで申し訳ない。今度からは恋バナをふられたらまじめな顔で「私は実家にいる柴犬を一番愛しています」と言うことにしようと思う。